侵襲を受けると筋肉はどうなる?

目標

Summary

神経・内分泌反応で抑えてほしい2つの系統

このパートでは、侵襲が糖代謝に及ぼす影響を学んでいきましょう。
神経・内分泌系の反応は一見複雑で、苦手意識を持ちやすい人も多くいるかと思います。
ですが、ここで抑えてほしいメカニズムは大きく2種類です。下の図を眺めてみてください。

図のように2つの系統を抑えましょう。
1つ目が視床下部ー下垂体ー副腎皮質系、2つ目が交感神経ー副腎髄質系です。
では1つずつみていきましょう。

視床下部ー下垂体ー副腎皮質系

こちらは主に副腎皮質に関連した内分泌です。特にコルチゾールを覚えましょう!

交感神経ー副腎髄質系

こちらは自律神経、なかでも交感神経に関連した内分泌です。

ここで抑えてほしいのは、コルチゾールとカテコラミンがどこに作用して、どんな反応が起こるのかです。
2つとも肝臓・筋肉に作用して、侵襲を受けてもホメオスタシスを維持できるよう、エネルギー源を作り出します。
またカテコラミンは、心臓や血管に作用し、循環を維持できるように働きかけます(そのため心拍数・血圧↑)。

血糖が上昇するメカニズム

なんだか覚えることがたくさん出てきましたね。
分かりやすいように、図で表してみましょう。

まず青い枠で囲んである1・2ー1・2−2に注目してください。
先ほど学んだ「視床下部ー下垂体ー副腎皮質系」と「交感神経ー副腎髄質系」により分泌されたホルモンが指令を出します。
その結果、「糖新生」と「インスリン抵抗性の亢進(カテコラミンの作用による)」の2つが生じます。

ここで「発熱」のパートを思い出してみましょう。
人間の身体は侵襲を受けると、体温を上げるということを学びました。
体温が上がるということは、白血球のはたらきが活性化するだけでなく、全身の機能が普段より活発に動き始めます(例えばPCもずっと使っていると熱くなったりしますよね?)。

侵襲を受けた身体がホメオスタシスを維持するには、それだけエネルギーをたくさん必要とします。
内分泌によって起こる反応は色々とありますが、どちらのシステムも共通し言えるのは、「血糖値を上げようとしている」ということです。
血糖を上げることで、侵襲に対応するためのエネルギー源を作ろうとするんですね。人間の身体はよくできてますね。

ただその代償として、筋肉や脂肪が使われてしまうので、強い侵襲を受けたあとは「体重が減る」「手足が細くなる」ということが生じます(いわゆる普通の風邪は、そこまで侵襲が大きくないため、若い人がかかる分には手足が細くなるまでの変化は起こりません)。


ここまでいかがでしたでしょうか?
知識が身についたか確認するために、確認テストにトライしてみましょう!

テストはどうでしたか?

テストにクリアできたら、次の第5章に進みましょう!